ネジバナはラン科の多年草で、日本全土の他シベリアや東ヨーロッパ、オセアニアなどに広く分布するようです。気難し屋の多いラン科にあって、珍しく強健で身近に普通に観察することができます。
ピンク色に小さくらせんに巻いた花は愛らしく、古くから観賞用にも育てられたほか、「もじずり」の名で、百人一種にも登場します。
「陸奥(みちのく)の しのぶもぢずり 誰(たれ)ゆゑに
乱れそめにし われならなくに」
今年の夏は、そのネジバナの開花が、公園の芝生や路傍の法面などでよく目立つ、当たり年です。そのままだと、草刈りや芝刈の作業で刈り取られてしまうので、せっかくなので大きな株をいくつか、沢の森の草地に移植しました。ここでも増えてくれると嬉しいですね。